車輪を発明する

ファーマコメトリクス・モデリング研究所

ロジスティックとかポアソンとか Time-to-event とか

パラメータ推定に関しては、どれも結局のところ、対数尤度を書いて、それを最大化する計算をするだけなので、個別のテクニックはいらない。もちろん、それぞれの分布を書ける必要はあります。

一方で、モデルの評価となるとどれも難しい。ポアソンはまだましな方かな。0/1 のロジスティックの場合、モデルで当てはめる、つまり、予測するのは 0/1 という離散数値そのものではなく、「1 になる確率」(あるいはそのロジット)であるから、実測値に対する残差という概念がない。
Time-to-event も同様です。実測されるのはどの時間(日)にイベントが発生するか(あるいは打ち切られるか)でしかないのに、モデル化するのは(生存曲線でさせなく)ハザード。一時点でのデータに対して経時的プロファイル曲線を当てはめるだけでも恐れ多いことなのに、実は当てはめようとするのはさらに目に見えにくいし理解もしにくいハザードである、というこの事実!

そういう意味では、VPC はモデル評価の手段としては確かに万能かもですな。とにかく実測値を再現できるかどうか、というシンプルアイディアだけで成り立っているのが強いところです。