車輪を発明する

ファーマコメトリクス・モデリング研究所

ブートストラップ

思い入れもあって、僕はこれが一番好きです。モデルの安定性がすぐわかる。安定性、というか、そのモデルを信頼していいものなのかどうか、その感触がわかる。「感触」だなんて職人みたいな言葉遣いではなく、サイエンスの言葉で語るべきなのだけれども、その域に行っていないのも事実。
僕がブートストラップの結果をどう見ているのか、その一端を書き留めておきます。

  1. 成功率

なんと言ってもこれ。ただ、NONMEM の時は「成功率 90%」が非常によい rule of thumb だったけれども、Phoenix NLME だと少し違うようだ。成功しすぎる気がしている。RetCode = 1, 2, 3 なら「成功」としている基準が甘すぎるかもしれない。ブートストラップに関しては RetCode = 1 のみでの成功率をカウントする、とかで収束特性と僕の直観、経験とが合うところを探すべきなのだろう。

  1. ヒストグラム

何となく不安なモデル、このパラメータは入れていて本当に大丈夫なんだろうか、と思っている場合、ヒストグラムが大抵「汚く」なるし、元の推定値とブートストラップ分布のモードとが一致しなくなる。