車輪を発明する

ファーマコメトリクス・モデリング研究所

変量効果間の相関

確かに原理的には「すべての」変量効果(= 個体間変動)間には相関があるでしょう。完全に独立、なんてありえない。
しかし、それがデータから推定できるかどうかは別ですね。無理に相関を考慮すると、よく発生するのが「相関係数がほぼ 1 と推定された」という減少です。これは独立か否か、という問題以前に、その二つの変量効果を推定すること自体に無理があることを表している。その意味でこれらは「完全に独立でない」(全否定)と言える。
モデリングの際に、相関を考慮しておこうか無視しようが、得られる結果としてのモデル構造には影響しないと思う。あ、もちろん、適切な数の変量効果のみがモデルに入っているならば、だ。
一方、シミュレーションの際には相関の有無が影響してくる。CL と V を独立な乱数として発生させると、CL が非常に大きいのに V はとんでもなく小さい患者(あるいはその逆)なんてのも平気で出てくる。問題は、それがあり得るのかどうか、ということだ。まあ、普通は、ない。そういう場合には、相関を考慮したモデルを作っておく方がいいですね。なおこのことは VPC でも、どちらがよいかを検出できるはずです。はず、です。あくまでも。