車輪を発明する

ファーマコメトリクス・モデリング研究所

モデルの自由度とモデルの「意味」「解釈」

ファーマコメトリクスでは平気で非線形モデルを用いるからそもそもモデルの自由度が高い。
薬物動態のモデルの一番の基礎のところからし非線形なのだから抵抗がないのだ。

それゆえに、「意味を考えられるモデル」「解釈可能なモデル」を作りたいと思う。
線形の世界だけで生きているならば、パラメータ推定値の解釈は可能だけれども、その線形のモデル式自体の意味づけは不可能である。なぜその直線なのか、なぜ線形的に推移するのか、に意味なんてあるわけがない。ただ単に、直線で近似できる範囲でデータを取っているから、にすぎない。

しかし、せっかく非線形のモデルを作るのなら、そこに意味を見いだしたい。解釈可能性という付加価値をつけたい。
解釈する能力がある、ということが自分たちの identity であるのかもしれない。

さてそこに、機械学習が入ってきたらどうなるのか。
ニューラルネットワークも、サポートベクターマシンも、あるいは、ロジスティック判別でさえ、その「モデル式」の解釈はできない。なぜだかわからないけれども結果として予測できている、判別できている、ということで我慢するしかないのだ。
というか、「式」を「数式」および「数値」として表示することさえ簡単ではない。

Omics 測定値を用いたモデルを作ろうとすると、予測子の数が大変多くなる。有意なものが見いだせたとして、初期の内はその意味も不明だろう。

これも一つのパラダイムの変化、ですな。頭を柔らかくして、この新しいパラダイム「も」取り入れていきたいものです。