車輪を発明する

ファーマコメトリクス・モデリング研究所

FDA の PPK guidance (draft)

「塩漬け」を終えてようやくでました。
www.fda.gov

慌てたのでしょうか、'PK' 部分のみなんですね。

Simulation の記載が増えています。いや、追加されています。99 年版や日本のガイドラインにはその記載はないです。(たぶん)

Modeling の指針はいくつありますが、simulation のルールはほとんどないです。当然かもしれません。Simulation の方が自由度があり、ルールを決めにくいのでしょう。ルールがないのをいいことに、申請者達は好き勝手なことをしてきたのかもしれない。いや、わざとそうしたのではなく、よくわかっていない人たちが不作為に間違いをしてきた。それに FDA は業を煮やしてきたのかもしれない。
例えば、本来入れるべき誤差・ばらつきを無視してシミュレーションしてしまうと、「2 群間では平均に差はあったものの、ばらつき(個人差)も大きく、それを考えると両群間に臨床上意味のある差があるとは言えない」という結論さえ導けるのかもしれない。これはよくないですね。

そこで、draft guidance では、simulation を行うに際しての過程およびその根拠を明確に述べよ、としたのだ。
ポイントは、どのレベルの「誤差」を考慮するのか、である。