車輪を発明する

ファーマコメトリクス・モデリング研究所

母集団モデル解析手順の「ルール」

ルールがあるところと、「ルールがない」のがルールになっている部分とがある。ルールとしてあげる手順は、一般的には厳守すべきである。しかし、「ルールがない」ところにまで、「どこかで誰かが言っていた(どこで誰が、とは特定されないのが問題)」ルールを盲目的に適用してはいけない。ここでも、自分で考えることが大事。もちろん、自分で好きなように考えて「自分はこう考えたのだから文句は言わせない」ではだめ。データに基づいて自分で考えることだ。

さて、ルールがあるところ

  • フルモデルからファイナルモデルに至る過程ではあらかじめ定めておいた手順に厳密に従うべきである。その際、多重性にも気を配ること
  • 検討する因子の分布が(ほぼ)すべて正常範囲内であったならば、その因子の影響を検討しても意味がない。気をつけなければならいのが、ほんの数例、正常範囲外にある場合だ。その数例の影響で有意になることもある。場合によっては、逆方向の影響で有意になることも少なくないので要注意である。

一方、ルールがないところ

  • 基本モデル構築の順序、また、共変量モデル構築の順序も自由であっていい。とにかく、目的に合った「良い」モデルが得られるならばそのプロセスは任せる。ただし、どういう思考と判断とで検討を進めたのかは明確に記述しておくこと。事後的な記載で構わない。
  • このことから、得られるモデルは解析者によって違ってくる。また、同一解析者であっても一ヶ月後に再度取り組んだら(もしかしたら一週後であっても)別のモデルになるかもしれない。
  • 多重共線性の問題とも関連していますね。