車輪を発明する

ファーマコメトリクス・モデリング研究所

Pharmacometrician と Statistician

ファーマコメトリシャンは統計家のことを別に好きでも嫌いでもない。
でも、統計家はファーマコメトリシャンが嫌いなようですね。
その意味で、ファーマコメトリシャンは、統計家が自分たちのことを嫌っているのがわかるから、どうも付き合いづらいとは感じているかもしれない。

統計家にしてみれば、自分たちはルールを作って(自分たちでね)、そのガチガチのルールに縛られて、その中で懸命に「検証」しようと頑張っている。
それなのに、ファーマコメトリクスの人たちはルールは気にせずに、自由自在にモデルを作って、シミュレーションしてみた、なんてアピールするものだから気に入らないのだろう。
他にもいちゃもんだらけだ。著者に対してだけでなく、これを通した査読者や編集委員にも怒っているようだ。なんでこんなのを通したんだ?ちゃんとチェックしなかったのか?統計家は見たのか?俺(大物だ)は見てないぞ、と。

「統計のコミュニティは」なんて表現もあった。実に閉鎖的だ。

やだねえ。統計家も「統計学は科学の文法である」なんて言い出して自分たちが番人だと考え始めたらおしまいだ。

でも、ところで、ファーマコメトリクスでは別に「検証」なんて興味がないのだ。予測したいだけにすぎない。しかも多くの場合、マスではなく個人の予測の方に興味がある。
だから棲み分けられていると思うのだけれども、それも統計家には気に入らないんだろうね。自分たちの領域の外で、自分たちの道具を使って自由自在にされるのは気に入らない、と。

もちろんね、「ファーマコメトリクスのコミュニティ」という言い方もするし「私たちのコミュニティ」と言ったり考えたりもする。それは同じだ。
でも、排除するつもりはないよ。
だから、無理矢理土足で入ってこないでね。